私は一人で中庭に来てた

「渉君!」

聞き覚えのある声がした

文香だった

渉君は気づいてないみたい

彼女が文香だって

いまの声は

私の言い方にとても似ていたから

「なに?一花?」

そんな、とぼけた声でふみかを呼ぶ

「わたし、渉君と、付き合う!だからココで誓って、私を一生愛すって」

「いいよ」

だめだよ

だめだよ

誓うのは私にしてよ

だんだん二人の顔が近づいてきた

「だめぇ・・・・・・」

思わず涙声になる

あと1cmぐらいの距離のとき

「文香?」

渉君がそういった

「な、何いってるの?」

「お前文香だろ」