大人のなり方

部屋を出ると、ドアのすぐ横で、腕を組んだ彼が、壁にもたれていた。


「あ…」

こういうとき、なんていえばいいんだろう。


うれしい。

カラオケ、よかったの?

私なんか、送りたくなかったんじゃない?

「どしたの?」

「うわっっ////」

ぐるぐる考えていて、彼がまどかの顔をのぞきこんだのにも気付かなかった。