ふしだらエデュケーション

渋々差し出された白い携帯電話を彼の手から奪い取る。


まったくもう……。

生徒たちに甘く見られてるのかもしれない。

淑やかで温厚で情けぶかい聖母のようなイメージが根づいてしまってるんだわ、きっと。

生徒が犯した過ちを看過することなんてできない。

それは聖職者の名に対する冒涜なのよ。

迷える子羊を正しく導いてあげることこそが私の務めなのだから。


「帰りのホームルームが終わったら職員室に取りに来なさいね、五十嵐君」

「……はい」


不満気な視線をよこす彼に、聖母の微笑みを返す。

むくれた顔も可愛いのね。