それから暫くして大坂へ行く者、全員が中庭に集った。


「出発だ」


芹沢のこの言葉を聞いて一行は、見送りの声を受けながら大坂に向け屯所を出発した。






今回のこのメンバーは殆どが幹部で構成されていた。


筆頭局長の芹沢は勿論のこと、局長である近藤に副長の山南。

更に副長助勤の沖田、永倉、斎藤、優真、平山、野口。
そして最後に監察方の巨漢で島田魁。


こんなにも幹部が屯所からいなくなることは滅多にない。

まあ、これからはそういう事も増えるかもしれないが。



因みに屯所に残ることになった幹部は副長の土方と新見に加え副長助勤の原田、藤堂、井上、平間と他数名。






芹沢さん達もいるし、斎藤もいるしでこれまでにないくらい最悪の気分……。



道中、先頭をきって歩く芹沢や、その数歩後ろで黙々と歩いている斎藤からなるべく離れた位置を常に保っていた優真は、なんとか一言も話さずに大坂へ入ることができた。