優真が泥酔状態で帰宅した日から幾日か過ぎた六月。

屯所の数人の隊士は出発の準備に追われていた。突然のことだったので準備を急いでする必要があった。

優真もその内の一人。





実は先日、大坂で壬生浪士組を名乗った輩が押借りをしているとの報告が入ったのだ。


それを聞いた芹沢が大激怒し、

“儂が捕まえてくれる”

と言い出したのをきっかけに壬生浪士組の大坂行きが急遽決まった。


土方は芹沢が行くことでまた何か問題を起こすのではないかと懸念していたのだが、局長である近藤や他の試衛館時代の同士も何人か行くことで渋々賛同した。





※押借り…無理に金品を借りること