「何が?って……。もしかして覚えてないんですか?」

「……」

「はぁ……でも仕方ないのかもしれませんね、あそこまで顔色が悪いと。優真さんもね、芹沢さん達と呑むなら一言でもいいですから言ってください。まあ、言ったところで行かせませんけどね。もう…芹沢さん達には注意しろってあれだけ土方さんに言われたのに聞いてなかったんですか?優真さんらしくありませんね………あっ、そういえば優真さんはたまに人の話を聞かない時がありま…」

「待って!」



総司長いよ、長い。
どれだけ話せば気が済むの…。
しかも話が脱線し始めてたよ…。

ああ…。

今無理に声出したから更に気分が悪くなった気がする……。



じろりと優真は沖田を睨む。



「何ですか、その目は」

「…一応、私病人」

「そんなの病気じゃありません!ただの二日酔いです!自業自得なんです!」



私は頑張ったのにこの言われよう……。うう……うぇ……吐く!



 ガタンッ!バタバタバタッ…──



興奮した総司のキンキン声が頭に響き、気持ち悪さが最高潮に達した優真は口を手で押さえて吐き気を堪えようとした。


──が、


堪えらきれなかった優真は勢いよく立ち上がると、これまた勢いよく襖を開けて走り出した。



か、厠ーーー!








その後、優真が屯所の厠からすっきりした顔で出てきたのは暫くしてからのことだった。