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「……んっ…」


中庭で騒ぐ隊士達の声で優真は目を覚ました。障子を通して部屋へ入ってくる清々しい日の光が朝の訪れを告げていた。


「……あれ…?…どうやって帰ってきたんだっけ…」


まだぼやけた頭の中で昨日の記憶を探ろうとするが、気分が悪くなり厠(トイレ)へ席を立った後の事が全くと言っていい程思い出せない。


「芹沢さんが送ってくれたとか…って、そんな訳ないか…」


と、そこで部屋の襖がガタッと小さな音をたてて開いた。



「優真さーん、朝ですよぉ!…あっ、起きてらしたんですね」

「今さっき…。というか、その無駄に明るい声は結構頭に響く……ぅっ…」

「あぁ、すみません。顔色も昨夜此処に運ばれた時より断然良くなっていたので大丈夫かと思いまして…」



部屋に入ってきた沖田は苦笑いしながら優真が座っている布団の直ぐ傍に腰を下ろすと、続けて口を開く。


「でも昨日は驚きましたよ」

「何が?」