どうやら黒い塊は人のようで、忍び装束を着た其の人物の顔半分は隠されていた。


「こいつが諸士調役兼監察の山崎だ。監察方には主に調査とかをやってもらう」


土方が山崎に目をやりそう言うと、山崎は優真に近づいて顔を隠している物を外し、細目を更に細くさせ微笑むと口を開いた。


「山崎烝言います〜。烝って呼んでや！俺は優真って呼ぶからなぁ。因みに女って知っとるから」

「…はぁ、宜しく」


独特の訛りと明るい声で優真の肩をバシバシと叩きながら自己紹介をする山崎に優真の表情は酷く引きつる。


馴れ馴れしいよ、この人…。

普通初対面の人に痛いくらい叩かないでしょ…。


その後、優真と仲良くなろうと山崎の質問攻撃が始まり、優真が参って土方に助けを求めるまでそれは延々と続いた。










その翌日の早朝。
編成表は近藤の口から発表された。

そして二日後の入隊試験で信太郎は難なく合格し晴れて隊士となったのだった。