「こんな所で何をしているんですか?」

「あ、総司」



廊下のど真ん中で顰めっ面をして立っていた優真に声を掛けたのは沖田だった。



「優真さんが顰めっ面をすると余計に怖く見えますよ」

「なっ、失礼な!私は怖くないよ」

「それは知ってますよ。でも優真さんって一見冷たそうに見えるんですもん」


ズバズバ言ってくれる。

まあ…確かによく言われる事なんだけど。


「顔の造りがこうなんだからしょうがないの。顰めっ面してたのは色々考えてたからで…」

「考え事ですか?」



そこで優真は先程の斎藤との事を沖田に話した。



「斎藤さんは昔からあんな感じなんですよ。口数も多いとは言えないし…、慣れれば大丈夫です」



うーんと優真は唸った。
あれに慣れる時は果たしてくるのだろうかと。





その時、優真達を呼ぶ永倉の声が耳に入った。沖田と立ち話をしている間に夕餉の時刻になったらしい。

優真は自室で休む事なく沖田と共に大広間へと向かったのだった。