文久三年二月五日。
将軍警護の為に組織された“浪士組”の参加者は、小石川の伝通院に召集され、諸注意と道中編制が発表された。












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「本当に大丈夫かい?女子だと言うのに…」




その日の伝通院からの帰り道。
優真の隣で心配そうに問い掛けてきたのは、最後まで優真の浪士組参加に反対していた山南敬助だ。

今だに納得しきれていない顔をしている。




「心配しないで、山南さん。さっきも他の人達に女だってばれなかったし」


「いや、そういう事ではなくてね…」




そう言って山南は、優真の腰にある先日土方に貰った刀へと目を向ける。


ああ…そういう事か。
山南さんは女の私が刀を持つ事を心配しているんだ。