東京エトランゼ~通りすがりの恋物語~



「あと、それとさっきみたいに人前で抱きついたりキスするのも、やめてほしい……誤解されると困るし……」

それだけ言うと、また黙りこみ、そしてうつむいてしまう彼。

「“誤解”って……」

はっきり言って今ちょっと傷ついた。

だってソレってさ、ロムはみんなに、あたしとトクベツな間柄だと思われたくないってことじゃん。

たしかにね、あたしたち、別に付き合ってるとかってわけじゃないけど、でも、そーいうふうにあからさまに否定されるのはヤッパ傷つくよ…。

別にあたしはロムと、そーいう関係だってみんなに思われてもいいと思ってたのに……。


「おい、大夢。お前、転校生をひとり占めすんなよ。先生だって、“みんななかよくしてやってくれ”って言ってただろ?」

不意に教室の中からひとりの男子が言った。たしか、一番最初に「ヒューっ」って言ってロムのことをからかったヤツだ。

「あ、阿南…」

アイツ、“アナン”っていうんだ…。ロムをからかうようなヤツはゼッタイに許さない!

「愛ちゃん、オレともなかよくしよーよ♪」