東京エトランゼ~通りすがりの恋物語~

だけど…、

“せっかくアメリカからロムのために、命の次に大事なものだと思って、胸に抱いて持って帰ったのに……”

…って、そう思うと、“なに、やってんだろ? あたし”って自分がバカみたいに思えると同時に、悲しい気持ちで涙が出そうになってしまう。

でも涙は見せない。ずっとロムのお姉ちゃん的存在だったあたしが、彼の目の前で涙なんて見せられない。


それにしても化石に興味がなくなった、ってことは、新種の化石を発見してソレに自分の名前を付ける、って夢も、もう捨てちゃったんだろうね。

変わったね、ロム……。

でも仕方ないか……あれからもう7年だもんね…。

7年もあれば、ものの考え方も、見た目だって変わるよ……。

ましてや思春期で、成長期な10代のあたしたちならなおさらか。

そーいうあたし自身、7年前とは変わっていると思うし……。

だけど頭では納得して、理解しようとしていても、ココロのほうがその現実をすんなり受け入れてくれないでいたのも事実だ。