東京エトランゼ~通りすがりの恋物語~

ひとつのイヤホンの右と左をそれぞれ1コずつ耳にはめて、昨夜オンエアされたマッキーこと荒牧ルイのラジオ番組を“ポッドキャスト”でダウンロードして聞いていたんだ。

…というのも、あたしはちゃんと午後9時半からリアルタイムで聞いてたんだけど、まだ美容院の後片付けをしていた彼は聞き逃してしまっていたんだ。


「はい、ではでは、次のメールを読んでみたいと思います」

昨夜オンエアされたラジオ番組のマッキーのDJ。

「アイアイさんという女のコからです」


「なぁ、この“アイアイ”って、お前のこと?」

「うるさいな。これから、あたしのメールが読まれるんだから黙って聞いて」


「はじめましてマッキーさん。

 先日、私は“やっぱりマッキーのファンはいいひとばかりだな~”なんて思う出来事に遭遇しました。

 実は先週の土曜日、マッキーのミニライブがあることを直前まで忘れていて……カッコ・ごめんない・カッコ閉じる……慌てて渋谷のライブハウスまで行ったんですが、チケットを持ってなくて“どうしよっか”って途方にくれていたら、突然、見ず知らずの女の人がチケットを手に声をかけてきたんです。