東京エトランゼ~通りすがりの恋物語~

なんだ、もうあたし泣いてたみたい……。



こうしてキクチ・ヨーコを裏切り、あたしとの友情を裏切らなかったユーは、もしかしたら一度は抜け出したはずのいじめ地獄に逆戻りすることになるのかもしれない。

だけど、心配しないで。

たとえ地獄に落ちたとしても今度はひとりじゃないよ。あたしもいる。

たとえクラスの全員が一人残らず敵ばかりだとしても、あたしがそばについててあげる。

それになにより、あたしだって……あたしだってユーがいっしょだと心強いよ。

誰かひとりでも味方がいれば、ヒトってゼッタイがんばれると思うし。

だからユー。

これからもアイ&ユー・コンビでよろしくね。



      ×      ×      ×



それから1週間後の日曜日の早朝―――

開店前の2F美容院へと続く階段に、肩を寄せ合うようにして並んで座っているあたしと巧がいた。