東京エトランゼ~通りすがりの恋物語~




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なんとなしに居心地の悪さみたいなものを感じながらも、1限目の授業を終えて休み時間に入ったとき…、

「クリス、ちょっと…」

そう言って、ロムがあたしを手招きした。

「なに? あ、そっか。あたし、さっき“あとでオタノシミがある”って言ったよね? そのことでしょ?」

「え…いや、その…」

なんかモジモジしている感じの彼。

「遠慮しなくていいよ♪」

「と、とにかくベランダに来てよ」

そう言って校舎2階のベランダに出る彼。

あたしはバッグの中からグリーンのリボンでラッピングされたギフトを取り出すと後ろ手に持って、はやる気持ちを押さえつつ、でも早足でベランダに出た。

ベランダから見上げる空は雲ひとつない快晴の青空で、2月だというのにお日さまはポッカポカ。こんな日に教室で勉強してるなんて、本当にもったいない。こんな日には遠足にでも行くべきだと思う。