東京エトランゼ~通りすがりの恋物語~


17年間生きてきて、まだそーいう経験はないから実際分からないけど……たぶん同じじゃないかと思う。



そして…、

「…っ!?」

鏡越しにでも、彼があたしの後ろ髪の“異常”に気がついたのがハッキリ分かった。

さすがに一歩後ずさるほどのリアクションではなかったけど、とにかく言葉を失ってるってゆーか、なんて言ったらいいのか分からないみたいなカンジだった。

それもそのはず。うまく髪の毛をアップして見えないように隠していた部分が、今はモロ出し状態だし。

ガムがこびりついてからみつき、シッチャカメッチャカのグッチャグッチャ状態で、部分的に束になっているあたしの後ろ髪。

彼に“天使の輪”が見えると褒められた同じ髪とは思えない。


「コレね、さっき歩いてたら、空からガムが降ってきたんだ。フフッ…」


あたしは情けなく笑ってみせた。

“空からガムが降ってきた”なんてハナシ、ウソみたいだけど本当のハナシ。