東京エトランゼ~通りすがりの恋物語~


でも誰が?

一番最初に誹謗中傷メールをバラまいたのがキクチ・ヨーコの仕業だとしても、さすがにこれだけの数となると、たぶんクラスの他のヒトたちまで、あたしに中傷メールを送っていると思って、まず間違いない。


それにしても…、

学校だけじゃなくて、家に帰ってまでも、こんなひどいことされるなんて……。

もし、ココが学校の中なら、どんなに辛くても、悲しくてもゼッタイ泣いたりはしなかったけど、今は自分の部屋だから、ガマンしないで……いや、ガマンできなくて声を出して泣いてしまった。



「愛、どうした?」



あたしの声が部屋の外まで聞こえていたのか、パパがドアの向こうから声をかけてくれた。

「な、なんでもないよっ…」

パパに心配かけたくなくて、努めて明るい声で返事をするあたし。

「“なんでもない”って…」