「ごめん、誰だっけ…?」
「おいおい、7年ぶりで会った、ってのに淋しいこと言うなよ」
ちょっとひきつったような笑顔を見せる彼。
「“7年ぶり”って、ひょっとして…」
そのとき、あたしには彼が誰なのか分かったような気がした。
けど、イメージとあまりにかけ離れてすぎていて、いま頭の中で思っているのが正解かどうか、正直あまり自信がない。
でも……。
「ロムだよ、ロム♪ 古内大夢♪」
「ろ、ロムなの…!? 本当にロムなの…?」
あたしなりに7年ぶりに再会することになる17歳のロムをいろいろイメージはしてた。
7年前はクリッとした黒目がちな瞳が、柴犬の子犬みたいで可愛いかったから、イメージとして柴犬が“子犬”から“成犬”になったような雰囲気を予想していた。
けど実際会ってみると、いま目の前にいるロムはまるでセレブな“アフガン犬”みたいに凛々しく精悍なオトナの男の顔つきになっていて、イメージしてたのより120%増しのイケメンっぷりで、すぐにはロムだと分からないくらいだった。


