東京エトランゼ~通りすがりの恋物語~


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数日後の朝のこと…、


「ハイ、デカ島、コレあげる♪」



「えっ…!」


デカ島こと、大島軍司はその名のとおりデカイ体のラグビー部員で、あたしがNYに行く前からの幼なじみだ。

そして、いつもなら他人のお弁当のおかずまで…、

「いただきぃ!」

…なんて言いながら横取りして食べちゃうくらいの体育会系くいしん坊。

そんなデカ島が今日にかぎって、あたしの差し出したチョコを、なんか躊躇しているみたいに受け取ろうとしないでいるのはヤッパリ今日が2月14日だったせいなのかな。



「これって、その…バレンタインデーの…?」



「うん、あたしの気持ちだから受け取って♪」