東京エトランゼ~通りすがりの恋物語~



そんなこんなのハプニングの連続で、目まぐるしく過ぎていく毎日だったけど、思春期の多感な時期にあったあたしにしてみれば、7年という時間はアッという間と呼べるような短い時間じゃなかった。

日本を立つときにはしていなかったブラジャーが、今ではカラダの一部になってるくらいだから、時は確実に流れたってことだ。


日本にいた頃はいつも男のコとばかり遊んでいて、スカートなんて履いたことがなかったあたしだけど、おっぱいだって大っきくなったし、17歳になったあたしを見たらロムのヤツ、どんな顔するのかな…?

…ってか17歳になったロムって、どんなだろ…?


「おかえり、クリス」


「えっ…」

7年ぶりに会うロムのことをアレコレ妄想しているうちに、いつのまにかあたしは成田空港の到着ロビーに立っていたみたい。

少しキレ長の目を細めながらあたしを出迎えてくれたのは、茶色がかったロン毛の背の高い日本人の男のヒトだった。年は17、8ってところかな。

そのヒトはあたしのことを知ってるみたいだけど、あたしはそのヒトが誰なのかまったく分からない。