あたし、自分がトクベツ可愛くないことは知ってるけど、でも少なくともあのコに比べたら、あたしのほうが男子ウケすると思うし、スタイルだってあたしのほうが…。

お湯の中で左右の胸を中央に向けて寄せると立派な谷間ができた。

制服の上から見ただけだけど、キクチ・ヨーコのカラダは小学生の頃と全然変わっていないみたいだった。

例えるなら、まるで“エンパイアステートビル”のように、なんの“でっぱり”もなく地面から頭に向かって垂直にそそり立っている感じだった。


スタイルだって性格だって、たぶんあたしのほうがいいはずなのに、なんであのコがロムのハートをひとり占めするワケ?

悪いけど、あのコのどこをロムが好きになったのか全然分からない。


ポチャン…

そのとき再びひとしずくの水滴が、湯船のお湯の中に落ちた。


決めた…。

ロムのココロは奪い返させてもらうよ。実力勝負だから悪く思わないで。

湯船から出ると、いつもより念入りにカラダを洗っているあたしがいた―――――