千代ちゃんはいつでもおばあちゃんと一緒でした。
保育園に行くときも、帰ってくるときも、おやつを食べる時も、夕飯のお買物も、時には夕食や夜寝る時までいっしょでした。
千代ちゃんの両親は共働きでかわりにおばあちゃんが千代ちゃんが淋しくないようにと面倒を見てくれていました。
だから、千代ちゃんはおばあちゃんが大好きで、おばあちゃんは千代ちゃんが大好きでした。
千代ちゃんはおばあちゃんがおやつにと煮てくれた甘いお芋が大好きでした。甘くてほくほくしてて、幸せな気持ちになります。だから台所から甘い匂いがすると千代ちゃんはうれしくなります。書き書けの絵を放り出しておばあちゃんの割烹義にしがみついて、「お芋できた?」と催促します。すると、おばあちゃんは得意げに「もうすぐよ」と言います。それを聞いた千代ちゃんはウズウズしながら何度も「もうできた?」と繰り返します。
ふっくらほこほこのお芋が煮えると二人は卓袱台に並んで座り「おいしいね」と言いながらにこにこ笑って頬張ります。