「痛いよな?」

「うん、すごくジンジンするけど
大丈夫。」

応急処置がよかったと
大事には至らず
痕も残らないといわれて
ほっとした。


軟膏と薬をもらって
お姫様だっこで
部屋にもどった。

「重いでしょう?」

「大丈夫だよ。」

「お腹すいた・・・」

「座れるか?」

俺は奈楠をソファーに座らせた。
そして遅い夕飯を食べた。


その日から奈楠は熱を出した。
俺は丁度仕事が休みだったから
奈楠の看病をする休みになった。



奈楠はこのときとばかりにあまえっ子になる。



俺はそんな奈楠が
いとおしくしかたなかった。


赤ちゃん奈楠を思い出した。
一生懸命、妹の世話をした
あの頃の楽しい記憶が
戻ってくる・・・・


「にーにー来て~」

そのたびに飛んでいく
自分が楽しかった。