「歩来もいるのか?
新婚さんがいいのか?」


「声ききたいの?
変わってあげるから
慌てないの?」
小さい子供に言い聞かせる
お母さんのように言った。

「わかりました。ママ~」
俺は可愛い声を出して言った。


「こんな女たらしな子供を
産んだ覚えはありません。」
千鶴が言った。


「女たらし・・・って
ひどいいい方だな~
愛される男って言えよ。」


「愛される男も妹には
弱いんだね~」


「そうだよ。
将来ある青少年の見本にならなきゃ。」


「言うね~きゃははは~」
陽気な千鶴だった。


「愛した女に代わるよ~」


「なんか千鶴絡み酒だな・・・・」


「もしもし~
千鶴ったら酔っ払いなんだもん。」

「素良は?」

「出張だよ~それも海外~」

「失敗~土産頼めばよかった~」


「奈楠ちゃんには買って来るよ。」


「俺にも頼むって言っといて~」


「はい、はい~」


「寂しくないか?」

「寂しいよ。」

「ちゃんと戸締りして
留守番しろよ。」


「子供じゃないんだから」
歩来が笑った。


「俺行ってやろうか?」
ちょっとマジに言った・


「ばかだね~」
慌てて歩来が返事を返した。