「もう、みんな早く帰って~」
若い女性の声がした。

「は~い!!先生~」

「明日遅刻なしよ!
わかった?ナベくん!!」

「なるべく~」

「もう!!なるべく~ぅじゃない!!」

中からチャラ男が数人出てきて
俺をジロジロ見た。


挑戦的な視線に
熱くなり

「担任教室にいるの?」

「はい・・・・」

俺は教室の後ろから

「林 奈楠 の兄です。」
と大きい声を出した。

俺の背から
「ナナンの兄ちゃん!?」

「マジー?」

どよめいていた。



「は~い!!」
元気な明るい声で出てきた担任は
どことなく・・・
どことなく・・・

歩来に似ている気がした。


「お忙しいとこ
急にお呼びして申し訳ありません」

深く頭をさげた。


「とんでもないです。
こちらこそよろしくお願いします。」

担任は

「どうぞ」
と言った。