「よしにー
背中が女々しいよ。」
奈楠が冷たく言った。

「な、そそんなことない・・・」

「あるから。」

「よしにーには
私がいるでしょ?」

そう言って照れた
奈楠が可愛かった。


「そーだな~
俺には可愛い妹がいるさ」

そういったら
また恥ずかしそうに笑った。



俺も可愛くなって
頭をくしゃくしゃにしてやった。



喜ぶ奈楠が哀れだった。
きっと
孤独でこんなことされたことも
ないんだろうな・・・・



血はつながってはないけれど
寂しい子供時代を
家族の暖か味を知らずに生きてきた俺たち


これから
本当の兄妹になれるかな


お互いの傷を
癒すあの小さい頃のように・・・・

奈楠は俺の背中のシャツを
ひっぱった。