「ごめんな。
俺、何も知らないで・・・・
四季をひとりにして・・・・
許してくれるか?」


四季はタツキを抱いていない胸に
静かに顔をうずめた。



「ごめんなさい。
どうしてもあなたを忘れたくなかった。
タツキを欲しくて
あの日あなたに抱いてって
せがんだの。
私が全部仕組んだことなの。」



「仕組んだなんて…」



「どういう漢字を書くんだ?」


「樹木の樹でタツキ・・・・」


「タツキ……」


樹は俺の目を見て


「ハイ!!」と手を上げた。


「名前は?」


「タザワ タチュキ ニサイ」



「二歳か~?
利口で賢い子だな~
パパって呼んでくれるかな。」



「パパ!!」



「よくできました。」


俺は涙が止まらなかった。