「あの子供
誰かに似てたな~
誰だったか・・・・」

車に乗ってから
林は考え込んだ。


  芳樹だよ・・・


車を発進させたら
祖父が男の子をだっこして
出てきた。


「おかえり~!!ママ~!!」


男の子が体いっぱい手を振った。


田圃の向こうから
自転車に乗った女の人が
手を振って向かってきた。


駐車場から車が出る瞬間
自転車の女の人と
すれ違った。


・・・・!?
風が止まった。


「ただいま~たっちゃん~!!」

バックミラーには
男の子がママに
抱きあげられているのが
映っていた。


少し後ろ髪をひかれた・・・


子供って可愛い


私は自分のおなかを触ってみた。


これが芳樹の子供だったら
どんなに幸せだろう・・・


私は目を閉じた。


近づく運命の再会に
備えて・・・・