ウイクリーマンションの一室に
俺を連れていった。


叔父も立ち会うと
ついてきた。


心臓が爆発しそうだった。

このドアの向こうに
奈楠がいる。



「ちょっと有紗は具合がよくない。」


ポツリと林がつぶやいた。



林は狂っている。
汚い身なりは
金に困っているんだろう。
奈楠に治療なんて
受けさせられるわけがない。

ドアを開けて
暗い部屋に入っていく


 奈楠・・・・・?



奈楠は毛布をすっぽりかぶり
イスに腰掛け
窓を眺めていた。



「有紗。」

林が声をかけた。


「は…い…」
力なく振り返った奈楠は
俺を見つけて
一瞬驚いて
そして絶望した・・・・・


林が奈楠に近寄っていった。


「有紗・・・
お客さんがおまえに会いたいって。
おまえは俺の有紗だよな。」


そう言って
奈楠に髭ずらの薄汚れた
顔でキスをした。



「頭おかしいだろう。
奈楠じゃないか?
姉さんは死んだんだぞ!!」
叔父は叫んで
外に出て行った。


俺の運命の糸は傷つき
絶望した奈楠につながっていた。