会社に転勤を断る責任をとって
退職願を出した。


社長が驚いた様子で
「引き抜きか?」


そう問い詰めたから
奈楠の話をした。

社長が
「う・・・・・ん・・・
おまえにまかせたかったんだ。
少し時間をくれ。
それまで預かっておく。」


そう言って
しばらくしてから


処分が決まった。



「責任を取って…
とも考えたが、おまえは希望の
人材だから手放したくはない。
しかし今回の人事に
混乱を招いたのは
確かなことから
降格人事として
チーフから平に
衣料から食料品に回ってもらう。
きついぞ。
風あたりも。
でもおまえならすぐに結果出して
くれると信じている。」


温情が身にしみた。


俺は、食料品売り場の
平社員として
働くことになった。


衣料のパートさんに惜しまれながら
社員の陰口を耳にしながら
俺の厳しい毎日が始まった。


 いいさ
 奈楠を待つんだ。


そう思いながら笑顔で
働いた。
家ではヤケ酒をあおりながら・・・