~天使はふたたび舞い降りる~

「転勤するまえに
陽介が顔を出せと怒ってたぞ。
薄情な奴だって。」
オヤジが笑った。


陽介はオヤジの弟


いろいろあった昔
世話になった人


 最近顔出してないな


「素良だっていってないだろ?」


「俺?
行ってるさ~
歩来なんて瞳さんに愚痴りに
よく出かけるよな~。」


「愚痴だなんて~」

ケラケラ笑う。



「麻衣なんて
きれいになったぞ~
中学生だからな。
陽介叔父さんもヒヤヒヤしてるよな。」



「麻衣か~
ほんと何年もあってねー。
おまえらの結婚式以来か~」



「転勤しなくても
会ってこい。
なんか仕事紹介してもらえ。」


「医者か?」


「お前みたいな医者は
勘弁~なんかエッチくせーし」




素良と俺は最近お笑い芸人のように
息がぴったりだ。


「息が合うな~
お前ら~さすが俺の息子たち」


オヤジはうれしそうだった。
そうなるのには
俺と素良はいろんな戦いが合った。


殺したいくらい
憎いことも
乗り越えてきた。