オヤジが俺に
ビールを注いだ。


「いいじゃないか、
愛してるんだろう?
おまえにも愛をいう血潮が通ってるんだ。
アハハハ~」

豪快に笑う。


「後悔するな、やっと手に入れたら
もう会話さえできなくなった
なんて、お前の母親のように
後悔するくらいなら……
自分の命を絶ってしまうなんて
思ってもいなかった…
なぜ優しい言葉をかけられなかったか
素良の母親のように
後悔ばかりの人生だった。
誰一人として
幸せになんてしてやれなかった。」



オヤジがめずらしく
愚痴った。



「好きに生きろ。
そこに信念があるなら。
お前の能力だ、新しいところなんて
すぐ見つかるさ。」



「そうよ。
芳樹はそうじゃなきゃ。
私も素良もとっても幸せ…
あなたにも絶対幸せになってほしい。
奈楠ちゃんが
あなたを愛する気持ちは
まっすぐだったから・・・」



歩来は笑顔だった。


「ね?パパ?」



素良も



「バーカ~」

そう言って俺の肩をたたいた。


「ランボーして!!
おもていきなさい!!パパ!!」


愛恵が愛らしく
素良を叱りつけた。