「ほんと、ありえねーよな~
でも、ここからいなくなるわけには
いかないんだ。
奈楠が戻ってくるような気がして。
なんとか見つけたい……
ここに俺がいなくなったら
あいつはきっと希望も失うから……」


「お前のいってること
わからなくはない。
だけど、戻ってくかなんて
わからないだろう?」


「林から金の打診と骨髄移植の
相談を母親の弟が持ちかけられてる。
あいつに奈楠の
治療は無理だろう?
借金から逃げて転々としてるんだ。
奈楠はきっと
悪いんだと思う…
だから早く見つけてやらないと
永遠に会えなくなる……」



「もう奈楠ちゃんから
手をひけよ・・・・・
あの子だって覚悟の上の失踪だったんだ。
お前が待っているなんて
考えてもないだろ。
あの子が願ったとおり
先生と結ばれるべきだったんだ。」



素良が怒ったように言った。


「パパ…
メグが睨んでるわよ。」
歩来が間に入った。



「パパ、チライ。
ヨッチおこって!
メグ、チライだよ、そんなパパ!!」

愛恵が怒って
素良の顔をのぞきこむ。


みんながその様子に
爆笑した。


「サンキューメグ~」
俺はひきよせて頬にチュウした。


「なにすんのよ!!
俺のメグに!!
女くせ悪いおじたんだから
消毒しなきゃ」


愛恵の頬をふいたら


「チライヨ!パパ!!」


素良は撃沈した。