四季の家に近づいてきたとき

「あのね…
あなたに見てもらいたいものが
あるの……
少しだけ部屋に寄ってくれる?」




「何?」


「とりあえず寄って。」


四季の横顔は真剣だった。


俺はひさしぶりに
四季の部屋にあがった。



美しい窓からの眺め


「俺はさ、こんな高いところには
住めないな。
ベランダにも出れないよ。」



コーヒーの香が部屋を包む。



「実は私も出れないの。
出るときは四つん這いだから。」


「マジ?」


想像して爆笑した。



「今、想像した?
やーね。」


コーヒーを運んできた
四季は笑った。