中村の母を挟んで
少し重苦しい空気が流れた。


俺は四季が結婚したのか
気になっていたが
薬指には指輪がなかった。



「亜恋ちゃんはよく
来るんですか?」



「うん、週末は優の部屋に
泊まりに来るの。
早く、週末忙しくなるといいわね、
って言いながら
娘みたいで、おとうさんは
デレデレしてるのよ。
あの子のおかげで
なんとかここまで
やってきた感じなの・・・。」


「あの子なりに
私たちにさびしくないように
考えてくれてるんだろうけどね。」



「いい子ですね。
いろいろあったけれど・・・
優の見る目は素晴らしいわ。
強くて愛にまっすぐで
思いやりのある子。
そんな子ですね。」


亜恋は本当に優しい子だと思った。


ピンポーン


次は親戚の人たちだった。



俺はまた遊びに来る
約束をさせられて


四季と優の家を出た。





四季と目が合った。



「送っていくよ。」


俺は助手席のドアを開けた。