林は毎晩私を支配する。


「有紗…有紗…」

心と裏腹に
悪魔が私を丹念に愛せば

悲しい性は
潤ってしまい
女を憎みながら
反応してしまう自分が


情けなかった・・・・



乾いていく心だけが
私の誇りだった。





女という体を憎んだ・・・・





こんなやつに抱かれて
反応する自分を
恥じた・・・・




そうしているうちに
もう林の支配から
逃げることをあきらめた。



芳樹に合す顔がない・・・




林の寝息にほっとする



私は林の体の形跡を消そうと
行為の後



芳樹を思い出す。
薄れていく記憶を
必死に立ちあげながら


心の中で出来上がった
幻の芳樹が
私を愛してくれる



そして私は
芳樹によってきれいにされる



空想の中でも
幸せな瞬間だった。