もっと・・・
もっと・・・
愛してやればよかった・・・・


壊れそうなガラス細工は
乱暴に扱えば
壊れてしまう。


林によって
奈楠は壊れてしまう


もっと心を伝えて
奈楠をしばりつけてやればよかった。



ネクタイをほどきながら
はっとした・・・・



下手くそなネクタイも
もっと褒めてやればよかった・・・


奈楠が最後にしたかった
ネクタイ結び・・・




俺は後悔で押しつぶされそうだった。



「奈楠・・・
ごめん…奈楠…」



どんなに泣いても叫んでも
届かない奈楠に
声が嗄れるまで泣き叫んだ。


「愛してる!!!」

俺の声をかき消すように
白い雪は容赦なく降り続く…


今頃気づく・・・
俺の腕の中で甘く喘ぐ奈楠は
妹ではなく
女だった・・・・


また俺は間違いを犯した。


愛する女を手放してしまった・・・・


何回俺は
愚かな間違いを繰り返すのか・・・・



冬が嫌いになった・・・・