奈楠の祖父に会いに行った。


「林の居所知りませんか?」


「仕事クビになったと言っていた。
借金取りでも
きたんだろう。
あいつはいい仕事してるのに
もったいない。
頭がいくらよくても
人間として欠陥だらけだ。
なんであんな男に騙されたんだ
バカな娘だ・・・・」


祖父は嘆いた。


「奈楠が連れて行かれたんです。」


「林が?
奈楠は病気なんだろう・・・・
あの男はどこまで
奈楠を不幸にしたら気がすむんだ。」



「危害くわえられてるんじゃないかと
考えるだけで・・・・
早く見つけなければ・・・・
でもなぜ急に・・・・
いきなり奈楠に固執したんだろう。」



祖父はもっていた
新聞を叩きつけた。



「俺がもっとしっかりしていたら
奈楠を引き取ってやれたのに
情けない・・・・
すべてあいつに吸い取られて
息子だって
そうだ・・・・
あいつのおかげで
人生真っ暗だ・・・・
殺したいくらいだ・・・」



 殺したい・・・・



俺も今心からそう思う・・・・