コーヒーの香りで目が覚めた。


「ん・・・・」


「おはよう・・・」
奈楠が笑った。


「俺、ここで寝ちゃったんだな。」

伸びをして
コーヒーを入れている
奈楠を抱きしめた。


「大丈夫だったか?」


「うん、大丈夫よ。
迷惑かけてごめんなさい。」



「あいつ気が狂ってるって。
絶対会うなよ。」


「わかってる。」


奈楠が悲しそうに笑う。



「愛恵ちゃんに会いに
行きたいんだけど。」



「もうそろそろいい頃だな。
病院に行って許可もらおうか?」


「ほんと?」



「午後から休日出勤分
半休もらって行ってこよう。
歩来には連絡しておく。」


奈楠は子供のように
飛び跳ねた。