「寝るか?」



奈楠は相変わらず夜を怖がった。
俺と一緒に寝たいと
言った時

奈楠にも相当な覚悟が
あったのは
わかっていたけれど



「ほら、拗ねてないで・・・」



駄々っ子の奈楠を抱きあげた。



「愛してる・・・」


奈楠はそう言って俺の肩に
顔を埋めた。



「俺も愛してるよ。」



そう言って髪の毛のない
頭にキスをした。



ベットに奈楠を転がして
隣に滑り込んだ。


退院してから
こうして一緒にベットに入った。



「芳樹のばか・・・・」


俺は聞こえないふりをした。



「どうして・・・・
抱いてくれないの?」


厳しい質問だった。


愛しいと抱きしめても
それ以上にはなれなかった。
病院でできたキスも
戻ってきてから
頭や頬に


唇にはできなかった。