無言の時間が続いた。

四季のマンションが見えてきた。



「もうすぐお別れね。」
四季が呟いた。


「お見合いするね。
大丈夫、絶対幸せになるからね。
安心して。
芳樹は、奈楠ちゃんを
幸せにしてやって。
約束よ。
私たち幸せになろうね。
絶対ね。」



「うん。
四季に会えてよかった。
俺は一歩進めたんだ。」


「どうして?」
四季が目をまるくした。


「ずっとずっと好きだった人から
卒業できたのは
その人以外の女を愛したから・・・
それが四季だった。
こんな別れになるなんて
思わなかったけど
ごめん、それが俺の運命なんだって
俺は、奈楠を守っていく
運命だったんだって・・・・
そう思ってほしい・・・・」



「わかってるよ。
私が芳樹を救えたことは
誇りにおもっていいのね。」



「俺は・・・・
おまえを愛しているよ。
これからも
ずっと・・・・
おまえの幸せを願って生きていく。」



「ありがと・・・・」


マンションの前で車を停めた。


「じゃ・・・」

外に出かけた四季がいきなり
俺にキスをした。


「最後のプレゼント・・・・
ありがとう。
さよなら・・・・」


そういうとマンションに向かって
走って行った。

俺も車を静かに出した。