「どうですか?妹さんは?」


中村が話かけてきた。


「今、抗がん剤投与で苦しんでます。
見てるのもつらいです。
これで本当に
よくなるんだろうかって・・・」


「まだ、治療できるだけ
希望があるから
負けないように言ってあげて
ください・・・・」

そう言って
中村は笑った。



「せっかくだから
お茶でもどうですか?」


「四季も来い。」


「あ・・・うん・・・」


「四季さんおいで~」
亜恋が手を引いた。




「じゃ、おじゃまします。」




細い肩を
後ろから見ていた。
中村は、かなりやせていた。


四季は亜恋を引き寄せた。



中村の様子は
誰が見ても
限界だった・・・・・



亜恋は目にいっぱい涙をためて


にっこり笑った。



「ようこそ~
愛のスウィートホームへ~」


元気に明るく努める
亜恋に感心した。


小さい体のどこに
悲しみを隠しているんだろう