窓の外の季節はもうすぐ冬に
なろうとしていた。





「がんばれよ。
耐え抜いたらもっと一緒にいられる。
時間を共有して
触れ合って
いろんなところに出かけよう。」



奈楠はすっかり弱っていた。
薬の副作用は
奈楠の頭も眉も
ツルツルにした。




亜恋が見舞に来た時
いろんな帽子を
持ってきてくれた。


やっぱり年頃の子の選ぶ
帽子はとても可愛いデザインだ。


仕事柄
こういうのは得意と
思ってきたけど



若い子の感覚はおもしろい。



「亜恋の彼もつれてきて。
会いたいな~」


亜恋はさびしそうに微笑んだ。



「体調が悪くて・・・
もうすぐ入院になりそう。」


「そうなの?」





そういうと亜恋の目から
涙があふれてきた。


俺も奈楠もびっくりした。


「ごめんね、奈楠も病気と闘ってるのに
こんな一生懸命な場所で
泣いちゃって・・・・」



奈楠は亜恋を優しく抱きよせた。