ある日
めずらしいことに
奈楠の病室から笑い声が聞こえた。


  見舞?
  そんな友達いたのかな

若い女の子の笑い声が
奈楠の命が閉じてしまうには
早いと思わせる。


まだ、奈楠は18歳なんだと
思い知らされる。



せっかくだから
面会ルームで待つことにした。


看護師が笑顔で近づいてきた。


「珍しいよね。
もう奈楠ちゃん、さっきから笑いぱなし
あんな奈楠ちゃん初めてだよ。」


「俺もびっくり。
誰なんだろ~」


「あ、となりの棟の患者さんの
関係者だって。
お見舞いに来てて
仲良しになったんだって~
ほんと楽しそうよ。」



「そうなんだ。
奈楠が気を許すなんて
珍しいな~
やっぱいいね~若いGALの笑い声~」



「ほんとね~
奈楠ちゃんが笑うなんて
あんまりなかったから
最近夕方前によくきてるのよ。」


「どうりで~
機嫌のいい日ってわかるから。」



治療はやっぱり
かなり苦しさが見えてきた。


気持ちの上下も
感じられて

  今日はどうかな


そう思いながら
足を運ぶ日が続いていたから
奈楠が機嫌がいいのはうれしかった。