「芳樹~」
明るい聞き覚えのある声がした。


「歩来・・・・」

大きなお腹を抱えて
小走りに俺のところにやってきた。


「転ぶぞ・・・
大事な体なんだから。」


「なんかあった?」


「何?」


「ううん・・・暗い顔だったから・・・」


「妊婦さんに心配してもらえて
光栄です。」


俺は、歩来の頭を撫ぜた。


「もうすぐか?」


「もうちょっと・・・
大きいでしょ?」


「なんか、昔に戻ったみたいだな。」


「素良にもいっつも言われてる。」


幸せそうな笑顔・・・・


「幸せ?だろうな~」


「あたりまえよ。
・・・・いろいろあったあけど
芳樹が背中を押してくれた。
私たちの幸せは、
芳樹のおかげなんだもん。
大事にしなくちゃって
二人で話しているの。」




「それは光栄だな・・・」



「やっぱ・・・
元気ないよ。芳樹・・・・」