奈楠と話をしたくて
部屋をノックした。


返事がないから
静かに開けた。


机に突っ伏して泣く
奈楠を見て
胸が激しく痛んだ。



「奈楠・・・・・」

「キライ・・・・」

「奈楠、ごめん・・・」

俺は泣いてる
奈楠に近寄った。


「キライよ・・・・
うそつき・・・・・」


「ごめんって・・・・」

奈楠は俺の手を追い払う。



「やっぱり・・・
一人なんだよ・・・・・
誰にも愛してもらえない・・・・」


「そんなことないよ。
おまえは大事な妹だから・・・
家族だから・・・」


奈楠は俺をにらみ付けた。




「嘘よ!!
大事だったら一人にしないもん
私より大事なことが
あるんでしょう?」


涙が溢れ出す。



俺の胸はつぶれそうだった。


たまらず
抱き寄せた・・・・

奈楠は抑えきれず
大きな泣き声で
俺の胸を叩いた。