新緑が美しく輝く5月


奈楠は俺の職場に入る
テナントのブティックで
働き出した。


「今まで、洋服なんて与えられたものを
何も考えないで
着ていたんだけど、組み合わせにも
奥が深いんだね。
色の組み合わせや
丈の長さや
洋服っておもしろいね~」

奈楠はすっかり
ファッションにはまり込んで
俺の勉強している
厚い本を読みあさって
今じゃ俺より詳しくなった。



鏡を見ている時間が
長くなったようだ。


「奈楠、まだ終わらないのか?」

「うん。ごめん、ごめん~
もうちょっと・・・・」


「化粧が濃い。
最近の若い子たちに流されるなよ。
ナチュラルがいいんだぞ。」


「うん。うん。」

「うんってわかってるか?
ほら、髪の毛だって
金髪とかにするなよ。」


「最近うるさいよ~」
奈楠がおちょくるように言う。


確かに俺少しうるさいかも~