TOKYO TROUBLE HOLIC

それから数分後、また携帯が鳴った。
予想外の人、綾からだった。
公演で別れてから以来、会ってはいなかった。
もちろん、電話もしていない。
正直、出ようか悩んだ。
けど、躊躇いながらも俺は出た。
「………も、もしもし。京介?」
声が震えていた。
すでに綾は泣いてるようだった。
「そうだけど。」
「ごめんなさい。わざわざ、私たちのために。三百万もの大金。」
綾も知ってたのか。
たぶん、エリカから聞いたんだろう。
または、丸子から。
「別にいいよ。三百万ぐらい、大丈夫だから。」
三百万もの大金。
全然大丈夫じゃなかったが、そう言うしかなかった。
ちっぽけなプライドってやつ。
電話から、綾の笑い声が聞こえてきた。
「はは。全然大丈夫じゃないくせに。エリカの彼氏、二人から聞いたよ。部屋が虚しくて、女の子、呼べないんでしょ。」
俺は違う方に気がいってしまった。
エリカの彼氏って二人も?
丸子と……あと一人は?
二人から聞いたってことは、もう一人も俺が知ってる奴か。
まさかの歩だったり。
まぁ、ないな。
あえて聞く必要もないし、とりあえず、気を戻した。
「あっ、そこまで知ってたのか。」
「ごめんね。あのときは。」
「謝るのって、綾らしくないな。」
「私だって、謝るときはあるよ。」
なんだか、昨日からの苛立ちが嘘みたいだ。
今は最高に楽しい気分。
だって、好きな人と話してるからな。