姉弟道

「俺のことをあきらめて欲しいんだ」

そう言った俺に、樫野は驚いたように目を開いた。

その様子に、俺はこの間と一緒だと思った。

「確かに、樫野はいいヤツだと思う。

忘れずにずっと思ってたことも嬉しかった」

そう言って俺は樫野から目をそらすと、
「でもダメなんだ。

俺にはずっと見てるヤツがいるから」
と、言った。

頭の中に浮かんだのは、さっきまでギャーギャー騒いでいたリコの顔だった。

こんな状況なのに、リコのことを思う俺は重症だ。

それくらい、あいつしか見えていないって言うことだろう。