姉弟道

「はい、いらっしゃい」

杉里さんがそう言って店先へと足を向けた。

彼につられるように、俺も店先へと顔を出した。

そこにいたのは、すみれさんだった。

今日は、淡いブルーの着物での登場である。

何故だかよくからないが、すみれさんが着てくる服は着物ばかりである。

俺が見た限りでは、普段着の彼女を見たことがない。

この人、よっぽど着物が好きなんだなと思いながら俺はすみれさんを観察した。

リコ姉ちゃんも着物がよく似合いそうな気がする。